第 10 回のテーマは「 赤ちゃんの誕生 」です。
今回で「 初めての理科 」シリーズの「 生物編は終了 」となります。
生物編の最後のテーマは「 生命の誕生 , 卵巣と排卵 , 子宮内の胎児 , 胎児の成長 , 赤ちゃんの誕生 」といった事を書いていきたいと思います。
生命の誕生
女性の体には、子宮の両側に左右 1 つずつ「 卵巣 」があります。
この卵巣に「 卵( らん , 卵子 ) 」があり、左右どちらかの卵巣から、通常 1 ヶ月に 1 回 1 個「 卵管 」に飛び出します。
これを「 排卵 」といい、この日を「 排卵日 」と呼んでいます。( 月に 1 回の排卵日 )
男性の体には「 精巣( 睾丸 ) 」があり、卵巣と同様に精巣も左右 1 つずつです。この精巣で「 精子 」が作られています。
卵と精子が結びつくことを「 受精 」といい、受精した卵を「 受精卵 」と言います。( 卵と精子は卵管で出会う )
陸上動物は水から離れたため「 精子を乾燥から守る 」必要が出てきました。
そのために生まれたのが「 交尾( 性交 ) 」です。これによって「 体内受精 」が行えます。
これは「 爬虫類や鳥類の卵が乾燥を防ぐために殻に覆われている 」という事と近いものを感じます。
つまり「 新しい生命が誕生する時は乾燥が大敵 」という事なのでしょう。「 生命は海から誕生した 」という事と関係があると思います。( 生命は水と共にあり )
このような事は「 動物の分類と特徴 」の「 あとがき 」で個人的に考察していますので、ご興味があればご覧ください。
ちなみに多くの魚類や両生類は「 メスが水の中に卵を産み( 放卵 )、オスがその卵に精子をかけて( 放精 )受精する 」という「 体外受精 」です。
生命は「 受精 」から始まります。受精直後の受精卵は「 直径 0.1 mmほど 」と非常に小さく、針で空けた穴ぐらいの大きさです。
受精卵は 4〜5 日かけて「 子宮 」に運ばれていきます。
受精から約 7 日後、受精卵は子宮の内壁に着いて( 着床 )育ち始め、受精卵が着いた内壁も厚くなっていきます。この内壁が「 胎盤 」になります。( 子宮の内壁は受精卵のベッドとも言われる )
ちなみに排卵が行われると、受精しなくても、子宮の内壁は受精卵が着床できる状態になりますが、受精しなければ「 子宮内膜 」が剥がれて体外に出ます。その際に生じる生理的出血が「 月経( 生理 ) 」です。
胎盤は妊娠時に子宮内に形成されます。胎盤の中は母親の血液で満たされ、そこに胎児( 子宮内の子 )の毛細血管が張り出しています。
胎盤の役割は、胎児のへそにある「 臍帯( さいたい:へその緒 ) 」という管を通して、母体から胎児に酸素や栄養分を送ったり、胎児から出る二酸化炭素や老廃物を母体に送ったりしています。
母体と胎児は「 胎盤とへその緒 」で繋がっています。胎盤は「 胎児を育てるための臓器 」です。
なので妊娠中のお酒 , タバコ , 薬 などの影響が胎児に及んでしまうのです。
また胎盤は「 妊娠の維持や胎児の成長に必要なホルモンを作る働き 」もしています。
卵巣と排卵
1 人の女性が生涯で排卵できる数( 回数でもある )は「 約 400〜500 個 」と言われています。
ちなみに「 卵 」のもとになる「 卵母細胞 」は、女性がまだ「 胎児の時 」に、すでに「 一生分の数 」が出来上がっています。
この卵母細胞は一度できたら「 もう数を増やすことはできない 」ので、あとは時間と共に「 数が減る一方 」です。
卵母細胞の数は「 5 ヶ月か 6 ヶ月の胎児の頃 」が一番多くて、500〜700 万個ほどと言われています。
これが出生時( 赤ちゃんとして誕生した時 )には 200 万個くらいまでに減り、10 代で 30 万個、20 代で 10 万個、30 代で 2〜3 万個くらいまで減ると言われています。
また「 毎月 1 回の排卵 」によって「 約 1000 個ほど消費される 」と言います。
これは「 排卵される卵は 1 個 」ですが、この 1 個は実は「 1/1000 個 」であり、たまたま月経周期のタイミングに合った 1 個の卵母細胞が育ち、卵となり排卵されているのです。
使われなかった残りの約 1000 個の卵母細胞は、成長途中で死んでいったり、しぼんでいったりします。なので毎月排卵時に卵母細胞は 1000 個ほど失われていくのです。
このような仕組みは「 保険のためではないか 」と考えられています。
1 つではなく、いくつか同時に準備して置くことで、一番合うものを排卵させる事ができる。それを想定して、人体はたくさんの卵母細胞を用意しているのかも知れません。
以上のように「 卵巣 」は卵を作っている場所ではなく、生まれる前に作られた「 卵が保存されている場所 」であると言えます。
よって「 卵の質 」は「 年月の影響を受け、卵の数も年齢とともに減っていく 」と言えます。
ただこれは「 卵巣機能の強さ 」など「 個人差が大きい 」と言われております。
卵巣にある卵母細胞が少なくなって、卵巣機能も衰えて、排卵しなくなり、女性ホルモン( 主に卵巣から分泌 )の分泌量が低下していって起きるのが「 閉経( 月経が永久に止まる ) 」です。( 卵母細胞が約 1000 個以下になると閉経する )
女性ホルモンと健康
閉経後でも少量の女性ホルモンは分泌され続けますし、体脂肪からも女性ホルモンは分泌されるので、ゼロにはなりません。ただ排卵できるほどの量や状態では無いという事です。
また「 年齢に合った女性ホルモンの量 」を体が判断し調節しているので、女性ホルモンを無理やり増やそうと外部から何か摂取したりすると、逆に様々な病気になる恐れがあると言われています。
女性ホルモンの分泌量が減ると、月経( 生理 )の出血量が少なくなったり、逆に多くなったり、周期が短くなったり、逆に長くなったりといった月経の乱れがあるようです。
ちなみに女性ホルモンは生活習慣などでも減りやすいと言われているので、ストレス , 過度なダイエット , 睡眠不足 , 運動不足 , 冷え( 体温以下の飲食や果物や生野菜など )といった事は要注意です。
若い人で女性ホルモンの分泌が減ってしまうのは、生活習慣が原因である事が多いです。
また女性ホルモンが正常に分泌されるためには「 体脂肪 」の存在も大切です。
女性にとって健康的な体脂肪率は「 20 〜 29 % 」とされているので、理想的な体脂肪率は「 25 %前後 」と考えられます。
女性はこの体脂肪率が「 19 %以下 」になると「 女性ホルモンの分泌に悪影響を与える 」と言われています。
女性ホルモンで大切なことは「 なるべく必要以上に減らさないこと( 自然に減っていくこと以外で減らさない ) 」なので食事や腸内環境や生活習慣には気を付けましょう。
特に運動は全身の血流が良くなり、内臓機能( 卵巣も含む )も元気になり、体も温まり、精神的ストレスも緩和しやすいので、1 日 30 分の軽いウォーキングでも出来たら大きいと思います。
精神的ストレスは肉体的ストレス( 運動 )によって、汗をかいたり、疲れたりする事で、気持ちの発散になり緩和しやすいと言われています。( うつ病の改善にもウォーキングは有効 )
心の疲れは体の疲れと違い、横になって回復するものではありません。むしろ逆に体を動かしてしまったほうが、心はスッキリしやすいです。
またどうしても眠れない時は「 部屋を真っ暗にして、目を閉じて、横になっている( 理想は 7 時間 ) 」だけでもほとんどの疲れは取れると言われているので、眠れない事は気にしなくて良いと思います。( 退屈なら音楽やラジオなどは OK )
食事と腸内環境については「 小腸 , 肝臓 , 大腸&食事と腸内細菌 」の「 大腸と腸内細菌 」というところで、色々と考察しておりますので、ご興味があればご覧ください。
また女性ホルモンは「 自律神経によって調節 」されているので、自律神経が正常に働いていることが大切なのですが、そのために効果的なことが「 鼻呼吸 」です。
自律神経については「 骨と筋肉&神経の働き 」の「 末梢神経の分類 」と「 自律神経の特徴 」というところで解説しております。
鼻呼吸については「 肺と心臓のしくみ 」の「 健康体と鼻呼吸 」と「 自律神経と鼻呼吸 」というところで解説しております。
女性ホルモンは「 お守りホルモン 」とも呼ばれ「 女性の体調を整えたり、心身の健康を保ったり、病気を防いだり、女性らしい体型や美肌を作ったり 」とまさに「 女性のお守り 」と呼べる存在なので大切にしましょう。
子宮内の胎児
胎児の周りは「 羊水( ようすい )という液体 」で満たされており、胎児を衝撃などから守る役割をしています。
胎児は羊水の中に浮かんだ状態になっているので、自由に手足を動かすことができ、これによって体を発達させることができます。
また胎児と羊水は「 羊膜( ようまく ) 」という膜に包まれています。
ちなみに羊水は「 原始地球( 誕生したばかりの地球 , 太古の地球 )の海水 」と「 ほぼ同じ成分と濃度である 」と言われています。
ここでもやはり「 生命が誕生する時には乾燥が大敵 」と「 生命は海から誕生した 」という事と繋がってきますね。
さらに胎児は約 10 ヶ月の成長過程の中で「 魚類 → 両生類 → 爬虫類 のような形状を経て、人間の赤ちゃんの形 」に成っていきます。( 胎児に水かきや尻尾がある時期がある )
まるで「 生物の進化の過程を再現している 」ようにも感じられます。
地球が誕生して約 46 億年、そして生物が誕生してから約 38 億年、そのうちの約 34 億年を生物は海で過ごしてきました。
「 生命は水と共にあり 」と言われ、生物は水がないと生きていけないと言われるのも、このような「 生命の歴史 」という長く深い繋がりがあったからだと考えています。
胎児の成長
受精から 4 週間( 1 ヶ月 )ほどで「 心臓 」ができて動き始めます。
8 週間( 2 ヶ月 )ほどで「 手足の指や目や耳 」ができ始め、胎児の大きさが 2 cmほどになります。( 体重 4 g ほど )
つまり受精から 2 ヶ月ほどで胎児は人間に近い姿に成ります。( この 2 ヶ月の間で 魚類 → 両生類 → 爬虫類 のような形状を経て、人間の姿に近くなる )
10 週間( 2 ヶ月半 )ほどで「 頭 , 体 , 足 が発達 」して 3 頭身になり、鼻や顎( あご )などが整い、顔立ちがわかるようになります。( 体重 20 g ほど )
18 週間( 4 ヶ月半 )ほどで羊水の中で体を動かし始め、羊水を飲み、おしっこをするようになります。( 体重 350 g ほど )
この「 羊水を飲む 」という行為は、とても大切なことで、羊水には「 成長因子( 成長を促進させる物質 ) 」が含まれています。
羊水を飲むことで胎児は、自分の肺や腸に成長因子をしみこませています。この行動が、生まれてからの呼吸や口から栄養を取り入れるための準備に成っているのです。
なので陣痛( 出産直前に起きる、胎児を押し出すための子宮の収縮時の痛み )が来る前など、母体の出産準備が整う前に「 破水( 羊膜が破れ羊水が出る ) 」が起きてしまって、
子宮内に羊水が無い状態が長くなってしまうと、何とか妊娠を維持させて胎児の体は大きく成長しても、生まれてから呼吸ができない状態になってしまいます。
人工的に外部から水を入れても、羊水のように成長因子が含まれていないため、肺や腸が発達しないと言われています。
そして 24 週間( 6 ヶ月 )ほどで「 骨や筋肉が発達 」して活発に動くようになり、また脳が発達し、心臓の音がよく聞こえるようになります。( 体重 700 g ほど )
32 週間( 8 ヶ月 )ほどで「 丸みを帯びた体つきになり、髪の毛や爪が生えてくる 」ようになります。( 体重 1800 g ほど )
38 週間( 9 ヶ月半 )ほどで「 身長が約 50 cm 体重が約 3000 g ( 3 kg ) 」ぐらいに成長し、よく太って栄養を蓄えた状態に成って誕生してきます。
赤ちゃんの誕生
「 赤ちゃん 」の語源は新生児( 生まれたばかりの子 )の体が「 赤い 」からと言われています。
これは出産時の子宮の収縮によって、胎盤内の血液が新生児の体内へ絞り出されるからだそうです。( 一時的に血液の量が増えているような状態 )
受精からおよそ 38 週間後に赤ちゃんは誕生します。
まず子宮が縮んで胎児を外に押し出そうとします。すると子宮の入口が少しずつ開き始め、十分に開くと胎児を包んでいた羊膜が破れ、羊水が出てきます。
さらに子宮が強く縮んで胎児を押し出します。すると胎児の頭が外に出始め、胎児は回転しながら全身が出てきます。( まれに足の方から生まれてくる事があり、これを「 逆子( さかご ) 」という )
最後に子宮から役目を終えた「 胎盤 」が剥がれて出てきます。これを「 後産( あとざん ) 」と言います。
赤ちゃんは誕生すると、すぐに泣き出します。これを「 産声( うぶごえ ) 」と言います。
産声をあげることで肺に空気が満たされ、心臓から肺に大量の血液が送られ「 肺呼吸 」が始まります。
産声は初めて自分で、外の空気を吸って呼吸を始めた証拠と言えます。胎児循環( 胎盤を使った血液循環 )から肺を使った呼吸による血液循環に切り替わったという事です。
そして赤ちゃんは本能的にすぐに「 おっぱい 」を探して飲もうとします。これも自分の口から直接栄養を取れるように成った証拠と言えます。
よって役目を終え、不要になった「 臍帯( へその緒 ) 」は赤ちゃんの体に数センチ残して切り離されます。
その後、赤ちゃんの体に残ったへその緒は乾燥していき、1 週間くらいでポロっと取れていきます。
赤ちゃんと腸内細菌
胎児の状態の赤ちゃんは無菌状態ですが、赤ちゃんが産道( 出産時の赤ちゃんの通り道 )を通って生まれてくる事で、そこにある母親の乳酸菌など( 膣内細菌 )を受け取ります。( 膣内細菌と大腸の腸内細菌は似ている )
これが赤ちゃんの腸内細菌の元になり、これによって赤ちゃんは病原菌などから守られたり、母乳を消化吸収しやすくなったりしています。( 母親の腸内細菌と赤ちゃんの腸内細菌は似ている )
また昔は出産時に多くの女性が「 排便 」をともなっていました。( 降りてくる胎児の圧力や子宮収縮ホルモンの影響によるものなので、排便はあって当然 )
現在でも一定数の女性は出産時に排便が起きるので、助産師さんなどは慣れているらしく、何事も無かったようにサッと処理してくれるようです。
排便をともなう事で生まれてくる時に、母親の便から腸内細菌を受け取ることができ、これも赤ちゃんの腸内細菌の形成に役立っています。
なので赤ちゃんの健全な成長のために、良い腸内細菌を渡すには、母親の腸内環境を整えておくことが大切になります。
腸内細菌については「 小腸 , 肝臓 , 大腸&食事と腸内細菌 」の「 大腸と腸内細菌 」というところで、色々と考察していますので、ご興味があればご覧ください。
動物や昆虫の種類によっては、生まれた子に便を食べさせたりして、母親の腸内細菌を子に受け渡すことをする生き物もいます。( コアラの離乳食は母親の便で、これにより腸内細菌を受け取り、ユーカリの葉を消化吸収できるようになる )
また赤ちゃんは手当たり次第、何でも口に入れようとする特徴があります。
これは自分から様々な細菌と接触して、細菌に対する抵抗力( 免疫力 )を身につけようとする、本能的な自然の行動とも言えます。
腸内細菌の種類が多いほど免疫力が高いとも言われており、この腸内細菌の種類は「 3 歳まで 」にほぼ決まると言われています。
それまでの間に様々な種類の菌に触れ、それらを取り込んで、いかに腸内に多くの細菌を蓄えられるかが、将来の体の強さや元気さに繋がっていきます。
なのであまり「 除菌 , 殺菌 , 抗菌 , 滅菌 」などと神経質になると、逆に赤ちゃんの抵抗力( 免疫力 )を落としてしまい、赤ちゃんの丈夫な体づくりを邪魔してしまうかもしれません。
誕生前後の変化
酸素を運ぶのは血液中の赤血球です。
赤血球は酸素濃度の高い場所で酸素を受け取り( つまり肺で酸素を受け取る )、酸素濃度の低い場所で酸素を手離す( 細胞に酸素を渡す )という性質があります。
胎盤は酸素濃度が低い( 酸素を受け取れない )ので、胎児は「 胎児型赤血球 」という特別な赤血球を持っています。( 酸素濃度の低い胎盤でも酸素を受け取ることができる )
そしてこの胎児型赤血球は誕生後に急速に破壊されていき、約 3 ヶ月かけて「 成人型赤血球 」に変わっていきます。
また、この変化が起き始めたとき( だいたい生後 2 日 〜 2 週間ほど )に、赤ちゃんの体が黄色くなることがあります。これを「 新生児黄疸( しんせいじおうだん ) 」と言います。
これは胎児型赤血球が破壊されることで生まれる「 ビリルビン 」という物質が「 黄色い 」ことが原因です。
このビリルビンは肝臓で処理されて、胆汁の成分として小腸から分泌され、大腸へ流れて「 便 」と混ざったり、腸内細菌によって違う物質に変化し再吸収されて、腎臓で「 尿 」となり( 尿中で酸化され黄色くなる )排泄されます。
これが「 赤ちゃんの便と尿が黄色い理由 」です。( 大人の尿が黄色い理由も、古くなった赤血球や異常な赤血球が破壊されて、ビリルビンが発生するから )
もちろん「 便や尿の色 」は「 飲食物 , 病 , 体調によっても変化 」します。
ちなみに赤ちゃんの便が「 緑色 」の場合もありますが、これは「 ビリルビンは酸化( 酸素と反応 )すると緑色に変わる 」という性質が原因です。
例えば、便秘で長時間お腹に便が溜まっていたり、腸内細菌の変化や排便後おむつの中で時間が経つといった事で、ビリルビンが酸化すると「 緑色の便 」になります。( 特に問題ない )
赤ちゃんが離乳食を食べ始めたり、大人と同じようなものを食べ始めると、便の色は大人と同じような「 茶色 」になっていきます。
あとがき
この世界に 1 つの命が誕生するというのは、様々なものが複雑に関わり、繋がり合って、生まれてくるものなのだと感じました。
なに 1 つとして、人間が生み出したものでも作り出したものでもなく、自然と元から体に備わっている働きですよね。
これが「 生命の神秘( 人間の知恵では計り知れない不思議なこと ) 」と呼ばれるものなのでしょうか。本当に不思議です。
特に女性の体は、お腹の中で約 10 ヶ月もの長期にわたって、生命を育み、守り、成長させ、出産します。
女性はこのような大きな役割を負っているのです。
そのため女性の体は、望む望まざるに関わらず( 意志とは無関係に )、毎月生命を生み出す準備をしてしまう構造になっています。これが毎月うまくいかないと心身の健康にも影響が出ます。
女性の体の構造は「 赤ちゃんを産むことを前提に作られている 」と考えられます。
骨盤が男女で違うのは人間だけと言われ、女性の骨盤の真ん中の空洞が大きいのは、赤ちゃんを支えるためと出産時に赤ちゃんが通りやすいようにと言われています。
また女性ホルモンも赤ちゃんの妊娠や出産に大きく関わっており、さらには女性自身の健康やメンタルにも影響しています。
なので女性の心身の健康は「 赤ちゃんと切っても切れない関係である 」と言えます。
いわば「 いつでも赤ちゃんを迎えられる心身の状態 = 最も女性が健康的な心身の状態 」という関係なのです。
そう考えると「 一番神秘的なのは女性の体 」と感じました。なにせ「 命が生まれる場所 」ですからね。
精子は精巣で日々作られるのに、卵巣にある卵は「 数に限りがあり、減っていく一方 」というのも何故なのでしょうね。不思議です。
制限をかけることで、なるべく母子ともに元気で無事に出産できるようにしているのでしょうか。
それほど「 新しく生命を生み出し、しっかりと成長させ、無事に出産する 」という事は、母子ともに過酷で大変なことなのかも知れません。
「 出産は命がけ 」と言われます。今でも「 日本で毎年 50 人前後の産婦( 出産前後の女性 )が様々な理由で亡くなっている 」と言います。
人間は他の動物と違って「 2 足歩行 」であり「 赤ちゃんの脳が大きい 」です。なおかつ「 哺乳類 」なので胎内で胎児を育てます。
以上のような負担から「 人間の出産は難産になりやすい 」と言われています。
赤ちゃんも誕生して「 産声を上げるまでの間 」が生命の危機であるとも言います。今まで胎盤から酸素を得ていたのが、急に自分で肺を使い呼吸をしなければならなくなるのです。
そのための準備が「 羊水を飲むこと 」でした。
出産という、この世界に新しい生命が誕生する瞬間というのは、母子ともに命がけで挑む大変な大仕事だったのですね。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。