第 2 回のテーマは「 足し算, 引き算と整数の定義&絶対値 」です。
少し内容が多いですが、これらは全部繋がっている話なので、1 つの記事にまとめました。
足し算の考え方
足し算は「 加法 」とも言い、足し算の結果を「 和 」と呼びます。
足し算にはコツがあります。それは 10 進法の 10 を1束と見る前に、「 5 のかたまり 」を作ることです。
例えば、 6 = 5 + 1 や 7 = 5 + 2 や 8 = 5 + 3 や 9 = 5 + 4 のように考えます。(ソロバンと同じ考え)
そして「 5 のかたまり 」が「 2 つ 」で「 10 になる 」と考えます。つまり「 10 進法 = 5×2 進法 」ということです。
この「 5×2 進法 」の分かりやすい例が、「 日本の貨幣 」です。
日本の貨幣は「 1 円 5 円 , 10 円 50 円 , 100 円 500 円 , 1000 円札 5000 円札 , 10000 円札 」となっています。
これがどれほど便利かというと、どの金額のものを買っても「 簡単に数えられる数のおつりしか出ない 」ということです。
人間が瞬間的に見ただけで、数が分かるのが「 3 」までと言われているので、4 ぐらいまでが限界なのでしょう。
ちなみに 2000 円札は、この「 5×2 進法 」のルール外なので、使いづらいと言われるのだと思います。
計算の仕方
計算する上で大事なのが、「 足して 5 になる数 」「 足して 10 になる数 」です。これを「 5 に対する補数 」「 10 に対する補数 」と言います。
例えば、2 + 4 なら 5 に近い方( 4 )に「 何を足すと 5 になるのか 」→ 「 4 + 1 = 5 」なので「 1 」です。
この「 1 」を 2 からもらうと、「 2 + 4 = 1 + 5 = 6 」となる。( これを 2 を分解して 4 に合成すると言います)
同様に 7 + 8 なら 10 に近い方( 8 )に「 何を足すと 10 になるのか 」→ 「 8 + 2 = 10 」なので「 2 」です。
この「 2 」を 7 からもらうと、「 7 + 8 = 5 + 10 = 15 」となります。
また、7 + 8 = ( 5 + 2 )+( 5 + 3 ) = ( 5 + 5 )+( 2 + 3 ) = 15 と「 5 のかたまり 」に注目して計算しても OK です。
2 桁以上の足し算なら、十の位同士、一の位同士を分けて計算すると良いです。
例えば、26 + 17 = ( 20 + 6 )+( 10 + 7 ) = ( 20 + 10 )+( 6 + 7 ) = 30 + 13 = 43 という感じです。
引き算の考え方
引き算は「 減法 」とも言い、引き算の結果を「 差 」と呼びます。
引き算も足し算と同様に、「 5 や 10 のかたまり 」に注目し各位同士に分けて計算します。
例えば、\(7-4=(5+2)-4=5-4+2=3\) とやります。
他にも、\(13-8=(5+5+3)-(5+3)=5\)
これは、\((10+3)-(5+3)=5\) とやっても良いですし、
\((10+3)-8=10-8+3=5\) とやっても構いません。
「 繰り下がり 」の対処
引き算は「 繰り下がり 」が発生する( 10 円玉を 1 円玉 10 枚にくずす感じ )ので、引く数が元の数より小さくなるように計算します。
例えば、\(93-35=(50+40+3)-35\) と変形し、
\(50+40-35+3=58\) と計算します。
3 桁以上でも同様に例えば、\(142-67\) なら、
\((100+40+2)-(60+7)\) と変形して計算すると、
\((40+40+2)-7=40+33+2=75\) となります。
これは、\((80+60+2)-(60+7)\) とくずして、
\((80+2)-7=73+2=75\) と計算したり、
\((70+70+2)-67=70+3+2=75\) とくずして計算しても OK です。
自分がやりやすいように、変形したりくずしたりして、計算しましょう。
引き算の小技
100、200、1000 など、「 0 」のつく切りのいい数から引く場合に使える小技です。
例えば、\(300-167\) を計算するなら、
\((299+1)-167\) と変形すると計算しやすいです。
これなら、各位をそれぞれそのまま引いて計算できるので、繰り下がりの手間を解消できます。
整数の定義
整数に入る前に、まず「 正の数 」と「 負の数 」というのを確認しておきましょう。
「 正の数 」とは 0 より大きい数のことであり、分数や小数も含みます。
「 負の数 」とは 0 より小さい数のことであり、分数や小数も含みます。
ポイントは「 正の数 , 負の数 」と言った場合には、「 分数や小数が含まれる 」ということです。
整数とは
整数には「 正の整数( 自然数 )」と「 負の整数 」そして「 0 」の 3 種類があります。
「 正の整数( 自然数 )」とは「 1 から始まり( 0 に 1 を足した数 )、1 を足していくことで、次の数ができるもの 」です。無限に続くので、一番大きな自然数はありません。
「 負の整数 」とは「 -1 から始まり( 0 から 1 を引いた数 )、1 を引いていくことで、次の数ができるもの 」です。無限に続くので、一番小さい負の整数はありません。
「 負の整数 」は「 自然数( 正の整数 ) 」を「 0 」という鏡に映したような形になっています。
「 0 」を境にして自然数の反対側に、自然数と同じ間隔( 隣り合う数の間隔が全て「 1 」)を持った数の列です。
よく「0 」を基準( 中心 )とした「 数直線 」で表されます。右側が自然数で、左側が負の整数になっており、右に行くほど大きな数になり、左に行くほど小さな数になっていきます。
このように、「 自然数 」と「 0 」と「 負の整数 」を合わせたものを、整った数「 整数 」と呼んでいます。
整数の加法と減法
例えば、\(-1-1\) は「 -1 から 1 を引く 」ので、
\((-1)-(1)=-2\) となります。この -2 とは「 0 より 2 小さい数 」という意味です。
\(-3+3=0\) は「 3 つの穴を 3 つの土の塊で埋めた 」とイメージすると、結果「 0 」という何もない平らな状態になったという感じです。
「 負の整数 」の足し算,引き算は「 数直線 」をイメージすると、分かりやすいと思います。
\(-1-1\) は「 -1 」の地点から、左に 1 つ移動する( 1 を引くので )。
\(-3+3\) は「 -3 」の地点から、右に 3 つ移動する( 3 を足すので )。
また、その数字が「 正 or 負 」を示す符号( + , - )を含めて考えると、引き算を足し算にできます。
\(3-1=+3-1=(-1)+3\) と言えます。
つまり、\(3-1=3+(-1)\) という事です。「 3 から 1 を引く 」とは「 3 に ( -1 ) を足す 」と言えるわけです。
これが、「 マイナスを足す 」という概念です。これを使う事で、計算のしやすさが大きく上がります。
なぜなら、「 数字の順番を変えて計算できる 」ようになるからです。(足し算は計算の順序を変えても、答えは変わらないので)
絶対値とは
数直線上の「 0 」の位置を「 原点 」と定め、原点から特定の数までの「 距離( 長さ、大きさ )」を「 絶対値 」と言います。
例えば、( -5 )も( +5 )も絶対値は「 5 」となります。
これを、\(|-5|=5\quad|5|=5\) と表します。
-5 と 2 を不等号で表すと、\(-5\lt2\) なのですが、
絶対値では、\(2\lt5\) なので \(|2|\lt|-5|\) と書くことができます。
あとがき
単元の数が少し多かったですが、これらは合わせて学んだ方が分かりやすいと思ったので、まとめて書きました。
実際に学んでみて気が付いたのですが、算数や数学というのは教科書のような順序で学ぶよりも、繋がりのある分野を一緒に学んだ方が理解しやすいと感じました。
算数や数学(小学校や中学校)といったカテゴリー(分野)にこだわらず、関係が深いものは一度にまとめて学ぶ。これが「 数学を学ぶコツ 」かも知れません。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。