第 6 回のテーマは「 骨と筋肉&神経の働き 」です。今回から「 人体の話 」に入っていきます。
まずは「 骨と筋肉の働き、関節のしくみと働き、神経の働き、筋肉の種類 」といった事を書いていきたいと思います。
骨と筋肉のはたらき
骨は「 体を支えたり、脳や内臓を守る役割 」をしています。( 骨はカルシウムを蓄えているので硬い )
骨が集まって繋がったものを「 骨格 」と言います。
生まれたばかりの「 赤ちゃんには約 350 個の骨 」があり、これが成長とともに骨同士がくっついて、大人になるまでに「 約 200 個の骨( 個人差あり ) 」に成ります。
筋肉は「 体( 骨や内臓 )を動かす役割 」をしています。つまり「 筋肉が骨を動かすことで、体が動いている 」という事です。
人体は全身が筋肉で覆われています。顔にも筋肉があるおかげで、目を閉じたり、口を開けたりと様々な表情を作ることができます。
関節のはたらき
関節とは「 骨と骨をつないでいる部分 」を指し、関節があるおかげで腕や足を曲げることができ、骨同士が直接ぶつかる事も防いでいます。
「 指 , 手首 , 肘(ひじ) , 肩 , 首 , 顎(あご) , 背骨 , 股(また) , 膝(ひざ) , 足首 」などは、関節があるので曲げたり動かしたりできます。
関節のしくみ
関節部分( 骨のつなぎ目 )のそれぞれの骨の先は「 関節軟骨( やわらかい骨 ) 」で覆われており、骨と骨の間には「 関節腔( 空間 , すきま ) 」があります。
この関節腔は動きを滑らかにする「 滑液 」という液体で満たされています。つまり直接骨同士は接していません。
そしてこれら( 関節軟骨 , 関節腔 , 滑液 )は「 関節包( 線維膜と滑膜 ) 」という膜に包まれています。
また関節包の外側には「 靭帯 」があります。靭帯は骨同士をしっかり繋いで「 関節包を補強し、関節を形成 」しています。そして関節の可動域( 関節の動く範囲 )も制限しています。
体が動くしくみ
体を動かすための筋肉は「 骨 」と繋がっています。このような骨を動かすための筋肉を「 骨格筋 」と言います。
骨格筋が伸びたり縮んだりする事で、骨が動き、関節部分を曲げたり伸ばしたりできるのです。
つまり「 関節があるから、筋肉で骨を動かすことができ、骨が動くから、体を動かせる 」という仕組みです。
スポーツなどで、体を素早く力強く動かせるのは「 筋肉と関節 」のおかげです。
また骨格筋は骨をはさんで「 対( 2 つで 1 組 ) 」になっており、曲げるときは内側の筋肉が縮み外側の筋肉が伸びます。伸ばすときは内側の筋肉が伸びて外側の筋肉が縮みます。
神経のはたらき
血液のように「 体中に張り巡らされ、情報伝達するはたらきを持つもの 」を「 神経 」と言います。
人間の五感( 目 , 耳 , 鼻 , 舌 , 皮膚を通して生じる 5 つの感覚。視覚 , 聴覚 , 嗅覚 , 味覚 , 触覚のこと )は、神経によって感知しています。
神経は神経細胞が多数集まってまとまりになった「 中枢神経 」と体中の隅々を巡る「 末梢神経 」があります。
中枢神経は「 脳 」と「 脊髄( 背骨の中にあり脳に繋がっている ) 」です。
このうち「 脳神経 」が全体の神経に指令を出しています。また末梢神経から入った情報も脳に送られています。( 中枢神経と末梢神経は繋がっている )
中枢神経は「 骨 」で守られており( 頭骨や背骨 )、末梢神経は「 筋肉 」と繋がっています。
つまり「 体中の末梢神経から情報が入り( 入力 )、この情報が脳に届き、それに応じた指令を脳が出し( 出力 )、それが末梢神経に伝わることで体が動く 」という流れです。
末梢神経の分類
末梢神経は「 体性神経 」と「 自律神経 」に分けられます。
体性神経は、骨格筋を動かす「 運動神経 」と五感や内臓の感覚を伝える「 感覚神経( 知覚神経 ) 」に分けられます。
自律神経は「 内臓や血液や呼吸などの働きのように、無意識に行われる動きを調節する神経 」です。
自律神経の特徴
自律神経は「 主に昼間 , 活動 , 緊張(ストレス) , 戦いモードの時にはたらく交感神経 」と「 主に夜 , 休息 , リラックスモードの時にはたらく副交感神経 」があります。
交感神経と副交感神経は「 一方が強く働くと、もう一方の働きが抑制される 」という関係です。
例えば、交感神経が優位に働くと副交感神経の働きが抑制されるという事です。
ただ優先度があり、交感神経の方が副交感神経より優先されます。これは交感神経が働くような時というのは「 緊急性が高い 」からです。
名前を見ても、交感神経の「 副( 主となるものに付き従って助ける ) 」と書いて副交感神経ですね。
なので、夜寝る時に交感神経が高まるような事があると、眠れず不眠を招いてしまったりします。
自律神経で大切なのは、バランスではなく「 メリハリ( 減り張り ) 」です。
交感神経が働く時にはしっかり交感神経が高まり、副交感神経が働く時には交感神経が高まるような事を避けながら副交感神経をしっかり高めていく。
このようにそれぞれの神経が状況に応じて、しっかりと強弱がつく事で、内臓などの体内機能が正常に保たれています。
筋肉の種類
骨と繋がり姿勢を保ち体を動かす「 骨格筋 」と、内臓や血管にありこれらの働きを維持する「 平滑筋( 内臓筋 ) 」と、心臓を構成し動かす「 心筋 」。
筋肉は以上の 3 種類に分けられます。( 内臓も心臓も筋肉が動かしている )
そして「 骨格筋 」は「 体性運動神経 」が支配する「 随意筋( 自分の意志で動かせる筋肉 ) 」であり、
「 平滑筋 」と「 心筋 」は「 自律神経 」が支配する「 不随意筋( 自分の意志では動かせない筋肉 ) 」です。
あとがき
大雑把ではありますが、こうやって 1 つ 1 つ整理してみると「 骨 , 筋肉 , 関節 , 神経 」の働きというのは、意外とシンプルで分かりやすいと感じました。
体が動くのは「 骨が動くから 」で、仕組みは「 その骨に関節があり、そこに繋がった筋肉が動かしている 」というのは興味深かったです。
骨のつなぎ目である「 関節部分 」が「 直接骨同士がぶつからないように 」様々な工夫が施されているのも、とても感心しました。
また「 脳 」だけでなく「 脊髄 」も中枢神経ですが、全神経に指令を出せるというのが「 脳の特徴 」でした。だから「 脳は人体の司令塔 」と呼ばれるのですね。
常に末梢神経で情報を集め、その都度必要な指令を脳が下す。本当によくできた仕組みです。
その末梢神経の 1 つである自律神経は「 自分の意志ではコントロールできない 」のですが、人体を正常に保つ体内機能の働きを支配しています。
重要なのは「 休息時にきちんと副交感神経を高めること 」です。これが難しいのですね、意志や気持ちではどうにもなりません。
できる事は「 交感神経が高まることを避けながら、なるべくリラックスできる状況を作り出すこと 」ぐらいです。心配事があるなら先にそっちを片付ける、どうにも出来ない事なら気にしない心を持つ。
また自律神経はメリハリが大切なので、夜しっかり副交感神経を高めてぐっすり寝るためには、昼間しっかり活動して交感神経を高めておくことも重要です。
またストレスには「 精神的ストレス 」と「 肉体的ストレス 」があります。
そして精神的ストレスが高くなった場合には、肉体的ストレスを高めてやると、精神的ストレスが和らぐと言われています。
なので精神的ストレスが高いときは、そのまま家に帰って休むより、軽い運動( ウォーキング )などをして汗をかいたりした方が心がスッキリしやすいです。
運動して汗をかくことは、気持ち( 心 )の発散にもなるからです。血流が良くなり、汗をかくことで精神的なストレスの発散になります。
そして肉体が疲れることで、睡眠にも入りやすくなります。
心の疲れは体の疲れと違って、横になって回復するものではありません。むしろ肉体的なストレスがかかって体が疲れた方が、気持ちは晴れやすいのです。
あくまでも個人的な意見ですが、自分は今までそうやって乗り越えてきました。
また、うつ病を毎日の長時間のウォーキングで改善させたという話もあります。
それでもどうしても眠れないときは、部屋を真っ暗にして目を閉じて横になっている( 理想は 7 時間 )だけでも、ほとんどの疲れは取れると言われているので、眠れない事は気にしなくて良いと思います。
もし眠れないのに目を閉じて横になっているのが退屈なら、音楽やラジオを聞くのは問題ないので活用すると良いと思います。大切なのは「 目を使わないこと , 真っ暗なこと 」です。
何かのお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。