第 11 回のテーマは「 光の性質 」です。
今回から「 物理 」の分野に入っていきます。
まずは「 物理学とは何か、光の正体、電磁波と光、光の反射と直進、光の屈折 」といった事を書いていきたいと思います。
目次
物理学とは?
「 物理学 」とはどんな学問なのでしょうか。
物理学でいう「 物 」とは、単純に物体や物質という意味よりも広く大きく、イメージとしては「 万物( あらゆるもの、宇宙に存在する全てのもの ) 」という感じです。
なので物理学とは「 万物の構造や仕組みを明らかにし、その働きとして現れる自然現象の法則 」を学ぶ学問ということです。
自然界の様々な現象が「 どうやって起きているのか 」を追求する学問とも言えます。「 なぜ起きるのか 」を追求する学問ではありません。
「 仕組みを追求するもの 」であって「 理由を追求するものでは無い 」ということです。
ちなみに「 物体 」とは「 その物の大きさや形など、外見に着目した時 」に使われます。
「 物質 」とは「その物の構造や何で出来ているのかなど、性質に着目した時 」に使われます。
光の正体
太陽や火や電灯などは自ら光を放っています。このように自ら光を放つものを「 光源( こうげん ) 」と言います。
では光とは何なのでしょうか。言葉の意味としての「 光 」とは「 目に明るさを感じさせるもの 」と表されます。
また「 明るい 」とは「 光源から出た光によって、物がはっきり見える状態 」のことを言います。
光はとても小さな「 粒 」であり、光の粒を「 光子(こうし)、フォトン 」と呼びます。( 光子の数が多いほど光は明るくなる )
つまり光は「 粒子 」なので宇宙空間( 空気の無い真空状態 )でも伝わっていきます。
そして、光は「 電磁波 」でもあります。
電磁波とは「 空間を伝わっていく波 」のことです。もう少し詳しく言うと、
「 電界( 電場 )という電気的な力( + と − がくっつく力 )が働く空間と磁界( 磁場 )という磁気の力( N極とS極がくっつく力 )が働く空間が、交互に発生しながら波のように伝わっていくもの 」が電磁波です。
電磁波は基本的に「 電気が流れて、何か作動する( 何か動く、明かりがつくなど )ところでは発生 」します。( 物によって発生する電磁波の強さは違う )
電磁波は「 波 」なので「 振動 」しています。
波は山と谷で「 1 セット( 1 つ ) 」です。これが絶え間なく繋がり、繰り返されて伝わって( 進んで )いきます。
波には「 波長、振幅、周期 」があります。
波長とは「 波の山から山 or 谷から谷までの長さ 」のことです。これは「 1 セット分の長さ 」でもあります。
振幅とは「 波の高さ( 山の高さ or 谷の高さ )」のことです。( 山から谷までの高さではありません、波が上にも下にも振れていない平らな状態から、山の頂点 or 谷の底までの高さ )
振幅の大きな波ほど大きなエネルギーを持ちます。( 水の波と同じイメージ、水の波も高いほど力が強い )
周期とは「 波の山から次の山が来るまでの時間 」のことです。これは「 1 波長( 1 セット分 )進むのにかかる時間 」でもあります。
そして「 1 周期( 時間 )で 1 波長( 長さ )進んで 1 回振動する 」という関係です。
また「 1 秒間に繰り返す波の数 」を「 周波数( 振動数 ) 」と言い、単位は「 Hz( ヘルツ ) 」で表します。( 1 秒間で何周期分の波を繰り返したか、何波長進んだのか、何回振動したのかということ )
「 周波数が高い( 波長が短い、振動数が多い )ほどエネルギーが大きい 」という特徴があります。もちろん周波数が低い( 波長が長い、振動数が少ない )ほどエネルギーは小さいです。
ちなみに波には「 干渉( かんしょう ) 」という特有の性質があります。
波の干渉とは「 波の山と山 or 谷と谷が重なると、より高い山 or より深い谷になり振幅が上がること 」つまり重なることで山や谷の高さが増す現象です。
また、波の山と谷が重なった場合には、お互い打ち消し合い波が弱まったり消えたりします。
以上のように「 光は粒でもあり、波でもある( 粒子と波動の性質を併せ持つ ) 」と言えます。これを「 光の二重性 」と言います。
ちなみに、粒子自体が波を打っているという意味ではありませんので、ご注意ください。
現状では、光の吸収や放出など光と物質の相互作用に関する分野では「 光は粒 」として扱い、光の伝播(伝わっていくこと )に関する分野では「 光は波 」として扱われています。
電磁波と光
電磁波の「 波長の違い 」によって「 人間の目に見えるか見えないか 」や「 色の違い 」というものが生じています。
人間の目に見える電磁波のことを「 可視光線( かしこうせん ) 」と言います。
可視光線は波長の短い順( エネルギーが大きい順、振動数が多い順 )に「 紫、藍、青、緑、黄、橙、赤 」となっています。つまり人間の目には単色では、この 7 色しか色が見えない( 分からない )ということです。
この 7 色が「 虹が 7 色 」に見える理由です。( 虹は太陽の光が空気中の水滴に反射して見える現象 )
人間の目に太陽光が白っぽく見えるのは、可視光線の 7 色が重なると白く見えるからです。
物に色がついて見える理由は、物の表面が特定の色だけを反射し、それ以外の色を吸収しているからです。( 黄色い花は黄色という色だけを反射し、それ以外の色を吸収している )
ちなみに人間は「 緑色 」の光を最も強く感じると言われています。大自然( 植物 )の色だからでしょうか。
太陽の光には「 紫外線、可視光線、赤外線 」が含まれています。( もちろん目に見えるのは可視光線だけ )
紫より波長が短い光を「 紫外線 」、赤より波長が長い光を「 赤外線 」と言います。( 紫から外れているので紫外線、赤から外れているので赤外線 )
よく紫外線発生装置に「 紫色の光 」、赤外線発生装置に「 赤色の光 」が加えられているのは便宜上の理由です。( 光が見えないと使いにくいので、紫外線の波長に近い「 紫 」と赤外線の波長に近い「 赤 」が使われる )
なので正確に言うと「 光とは紫外線、可視光線、赤外線という 3 種類の電磁波 」のことを指します。( 一般的には可視光線だけを光という事も多い )
ちなみに「 光の速さ 」は「 1 秒間に約 30 万 km (秒速 30 万 km) 」です。地球 1 周が約 4 万 km なので「 1 秒で地球を 7 周半 」できる速さです。
また「 電磁波の速さ 」も「 光の速さと同じ 」です。
電磁波の種類
電磁波の種類を波長が短い順( 周波数が高い順、エネルギーが大きい順、振動数が多い順 )に並べると、
「 ガンマ(γ)線、エックス(X)線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ(μ)波、電波 」となっています。
ちなみにガンマ(γ)線より波長が短いのが「 宇宙線 」です。宇宙線とは宇宙空間に存在し、地球にも降り注いでいる高エネルギーの「 放射線 」のことです。
放射線とは「 高いエネルギーを持ち高速で動く粒子[アルファ(α)線やベータ(β)線、中性子線など] 」と「 高いエネルギーを持つ波長の短い電磁波(ガンマ線やエックス線) 」の総称です。
それぞれの電磁波の特徴などを紹介しますと、
「 ガンマ線 」はエネルギーが非常に強く、医療機器の滅菌や放射線治療などに使われています。
「 エックス線 」は物を通り抜ける力が強い( ガンマ線も同様 )ので、レントゲン撮影や工場での品質検査や空港での手荷物検査などに使われています。
「 紫外線 」は「 UV (UltraViolet) 」とも言われ、浴びると日焼けするので「 UVカット 」の様々な化粧品などが売られています。
紫外線( 日光浴など )は、適切な量( 1 日 30 分、夏なら 10 分ほど )だと、人体に有用( 免疫力の強化、細胞機能の活性化、体内時計のリセット、うつ病の予防、ビタミンDの生成など )と言われています。
なので昔から夏には少し日焼けしていた方が、体が丈夫になると言われていました。( 紫外線によって筋肉や骨が丈夫になったり、ストレスが軽減されたり、睡眠障害が改善されるなどの例もある )
また紫外線は食品や水や様々な道具などの「 殺菌 」に使われています。ネイルサロンで「 ジェルネイルを固める 」ためにも使われているようです。
「 赤外線 」は近赤外線( 波長が短い赤外線、可視光線の赤に近い波長 )は通信( 赤外線通信、光ファイバー )や家電のリモコンや生体認証( 手の静脈認証など )に使われています。
また遠赤外線( 波長が長い赤外線 )には熱を与える特徴があります。太陽光に当たると暖かく感じるのも、太陽光に遠赤外線が含まれているからです。なので遠赤外線は暖房器具や調理器具に使われる事が多いです。
「 マイクロ波 」は直進性が強く、特定の方向に向けて発射するのに適しています。また伝送( 伝えて送ること )できる情報量が大きいという特徴もあります。
利用例は電子レンジ、TV放送、無線情報通信( 携帯電話、GPS、衛星通信、無線LANなど )、有料道路( 高速道路など )の料金所にある ETC など、
他にもレーダー( 目標物との距離・方位を測定する電波探知機 ) や電波望遠鏡( 電波を利用し宇宙を観測するもの、パラボラアンテナという大きなお皿のような凹型形状のアンテナが有名 )などなど多岐にわたって利用されています。
ちなみに電子レンジで食品が温まる原理は、電子レンジのマイクロ波によって食品に含まれる物質が高速で振動します。この振動で摩擦熱が生じて温まります。( 水分が含まれている方がより振動しやすい )
またオーブンは遠赤外線によって温めるものです。表面から熱が入っていくので焼いたような感じ( 焼き目がつく )になります。
電子レンジはマイクロ波で物を内側からの振動による摩擦熱で温め、オーブンは遠赤外線で物を外側から焼くように温めていると言えます。
「 電波( マイクロ波以外 ) 」はラジオ放送、船や航空機の通信、I Cカード、電波時計、ラジコン( ラジオコントロール )、トランシーバー( 無線機 )などに利用されています。
このように電磁波という波は、映像や音だけでなく、様々な情報やエネルギーなども送ることができます。
しかも光の速さと同じですから、地球上では発信とほぼ同時に受信することができます。
また電波(マイクロ波も含む)は「 周波数が高い( 波長が短い ) 」と「 多くの情報を、特定の方向に運ぶ 」ことができます。
逆に「 周波数が低い( 波長が長い ) 」と「 運べる情報は少ないが、広い範囲に運べる 」という特徴があります。
光電効果
光電効果とは物質に電磁波( 光 )を当てた時に、その物質から「 電子が飛び出る現象 」のことです。
これはアインシュタインが提唱した「 光量子仮説( こうりょうしかせつ ) 」を裏付ける現象でした。
光量子仮説とは「 光の強さと振動数の関係は、光の量と質の関係に相当する 」というものです。
つまり振動数の大きな光( 紫外線 )はエネルギーが大きいので、勢いよく電子が飛び出します。
また強い光( 光子の数が多い、明るい光 )は粒子の数が多いので、飛び出す電子の数が多くなります。
逆に、振動数が小さな光( 赤外線 )では、電子を弾き飛ばすほどのエネルギーはありません。
なので、振動数の小さな光をどれだけ強く当てても、電子を飛び出させることはできません。
光電効果では「 光を粒 」として扱っています。
この光電効果を利用したものが「 太陽光発電 」などです。電子は「 電気の素 」とも言える物質です。( 電子が動くことで電気が流れる )
光の反射と直進
光源から出た光は、同じ物質の中( 例えば空気中、水中、ガラスの中など )では四方八方( 全方向 )にまっすぐ進みます。これを「 光の直進性 」と言います。
そして光が物に当たってはね返る事を「 反射 」と言います。
反射は表面が平らなものだけでなく、凹凸のある様々なもの( 水や雪なども )でも起きています。また反射は何度も繰り返すことが可能です。
自ら光らないものを見ることが出来るのは、この反射のおかげです。( 光源からの光が物の表面ではね返って、目に届く )
つまり「 人間が物を見ることが出来るのは、光のおかげ 」と言えます。( 目は「 光 or 光の反射 」を見ている )
なので物が見えるとは「 目に光が入った 」と言うことです。( 光が目の水晶体というレンズを通して網膜に映され、そこから視神経を通り脳に伝達される )
だから真っ暗なところでは何も見えないのです。( 部屋で本が読めるのも、蛍光灯の光が本に反射して、その光が目に入っているから )
光と色と温度
鏡などを使って、反射させた太陽光を当てたところは、明るく暖かくなります。
鏡の数を増やして、太陽光を反射させた光を複数にして、それを 1 ヶ所に「 重ねる 」と鏡の数が多いほど( 光が多く集まるほど )明るさや暖かさが増します。
また「 黒色 」は太陽の光を吸収しやすく温度が上がりやすいです。
逆に「 白色 」は太陽の光を反射させやすく温度が上がりにくいです。
これを利用しているのが「 衣服 」です。夏に白系の服が多いのは、太陽の光を反射させやすいので暑くなりにくいからです。
冬に黒系の服が多いのは、太陽の光を吸収しやすいので暖かくなりやすいからです。
入射角と反射角
光が物に当たるときの角度を「 入射角 」、反射して光が出ていく( はね返る )角度を「 反射角 」と言います。
光は鏡のようなほとんど凹凸の無い面に反射したとき「 入射角 = 反射角 」になります。( 同じ角度になる )これを「 反射の法則 」と言います。
鏡に物が映って見える
例えば、鏡の前にボールがあると、鏡にボールが映って見えます。
これはボールから出た光( 光がボールに当たって反射した光 )が鏡に反射して目に届いているからです。
鏡の前に自分自身が映るのも同様です。( 光源から出た光が自分の体表面に当たり反射して、それがさらに鏡に反射して目に入るから )
でも人間の目は光が直進していると感じるので「 鏡の中( 向こう側 ) 」にボールがあるように見えます。
また、鏡に映るもの( 鏡の中に見えるもの )を「 像(ぞう) 」と言います。像は鏡のちょうど反対側( 向こう側 )に同じ大きさで見えます。
反射を利用した潜望鏡
潜水艦が海上のようすを見るための「 潜望鏡 」は、2 枚の鏡を使って光を反射させる作りになっています。
海上からの自然光( 太陽などによる外の光 )が入ってくる所に鏡を設置して、その鏡に映る外の景色を、下にある鏡に反射させて、その鏡( 下にある鏡 )を目で見ています。
このような仕組みで水の中でも陸上( 外 )のようすを見ることが出来るわけです。
反射とコーナーキューブ
鏡が 1 枚のときに光を当てると、光を当てた側と反対側に光は反射していきます。( 反射の法則 )
鏡 2 枚を直角にくっつけると、鏡に当てた光は、光を当てた側( 光が入ってきた方向 )に反射します。( 2 枚の鏡に反射して光がこちらに戻ってくる )
この 2 枚の鏡に垂直になるように、もう 1 枚鏡をくっつけます。( 3 枚の鏡が垂直になるようにくっつける )
すると、どの方向から光を当てても、光を当てた方向に光を反射させることができます。( 光が光を当てた側に戻ってくる )
これを「 再帰反射( さいきはんしゃ ) 」と言います。
このように、光や電波を反射する性質を持った 3 枚の平面の板を組み合わせたものを「 コーナーキューブ 」と言います。
これが利用されているのが、道路や車や自転車などに取り付けられている「 反射板 」です。( 反射板は小さなコーナーキューブの集まり )
夜、反射板自体は発光しませんが、車のライトなどが当たると、ライトの光が入ってきた方向に反射( 再帰反射 )して、車の運転者に知らせます。
また、コーナーキューブはアポロ宇宙船によって「 月面 」にも置かれており、地球からレーザー光( 直進する単色の光 )を当て、反射して戻ってくるまでの時間によって「 地球と月の距離 」をはかっています。
光の屈折
光は、例えば「 水に入るとき、水から出るとき 」に曲がっています。そのため水の中にあるものが歪(ゆが)んで見えます。( 水中ではまっすぐ進む )
このように、光が今いる物質の中から異なる物質の中へ入るとき、その境目(さかいめ、境界)で折れ曲がることを「 屈折( くっせつ ) 」と言います。
例えば、何も入っていないグラスにストローだけを入れた時には、ストローがまっすぐに見えますが、グラスに水を入れるとストローが水に入った所( 空気と水の境目 )から曲がって見えます。( グラスを横から見るとよくわかる )
また水の中に手を入れると、手が縮んで見えるのも同じです。
物質によって「 屈折率( 光が屈折する割合 ) 」は違います。
ちなみに、サラダ油とガラスは屈折率がとても近いので、サラダ油の中に透明なガラスコップを入れると、ガラスコップがほとんど見えなくなります。
これは、ほぼ同じ屈折率の物質の境目では、反射も屈折も起こらず、光はまっすぐに進んでしまうからです。( 極端に言うとサラダ油の中にサラダ油を入れたようなもの )
その結果、人間の目にはサラダ油の中にあるガラスコップが認識できなくなり、ガラスコップが消えたように見えます。
逆に、サラダ油の中に屈折率の違う透明なコップを入れた場合だと、コップの輪郭が見えるようになります。
これは光が油とコップの境目で屈折するため、そこにコップがあることを認識でき、見ることができるのです。
人間の目は「 光や光の変化( 反射や屈折など )を見ている 」という証拠ですね。
屈折を利用した「 レンズ 」
虫メガネや眼鏡(めがね)などの「 レンズ 」はガラスで出来ていますが、これはガラスの光の屈折を利用しています。
レンズの形状が楕円(だえん)形のように真ん中がふくらんでいて、入ってきた光を 1 ヶ所に集めるように屈折するレンズを「 凸(とつ)レンズ 」と言います。
逆に、レンズの真ん中が凹んで(へこんで)いて、入ってきた光が広がるように屈折するレンズを「 凹(おう)レンズ 」と言います。
凸レンズは「 虫メガネ、遠視用メガネ、老眼鏡など 」近くのものをハッキリ見たり、拡大したりする時に使われます。「 集める、拡大する 」が凸レンズです。
虫メガネで太陽の光を集めて( 1 点に集中させて )、紙を燃やすことができるのも、凸レンズに光を集める性質があるからです。
凹レンズの身近な例は「 近視用メガネ 」です。凹レンズは「 遠くのものに焦点( 光が集まる点 )を合わせる 」時に利用されます。
近視は網膜( 映像を映す場所 )の手前で焦点が合ってしまう状態なので、近視用メガネやコンタクトレンズで、それを少し伸ばし、網膜上で焦点が合うようにします。
ちなみに「 焦点( しょうてん ) 」の語源は、太陽の光を凸レンズで集めると、この点に置いた黒い紙が焦(こ)げるので「 焦げる点 」で焦点です。( 古くは「 焼点 」とも書いた )
「 焦点 」を英語で「 focus( フォーカス ) 」と言いますが、これはラテン語由来の言葉で「 火 」を意味します。
また、レンズから焦点までの距離を「 焦点距離 」といい「 f 」という記号で表されます。( focus の頭文字 )
光を集める
虫メガネなどを使って、太陽の光を細く小さく 1 点に集めると、光はより強く明るくなります。
例えば、紙に虫メガネを通して光を当てます。虫メガネが紙の近くにあるときは、集めた光の部分は大きいですが、
これを徐々に虫メガネを紙から遠ざけていくと、集めた光の部分が小さくなって、光が強く明るくなっていきます。
そしてこれを、光が点のようになる所で止めてしばらくすると、その光の点の部分から煙が出てきて、紙が焦げていきます。
これは光を 1 点に集めると、光が強く明るくなる、つまり温度が上がり熱くなっていくからです。( 火のように物を燃やすほどの熱になる )
このような作用があるため、虫メガネで太陽を見たり、虫メガネで集めた光を人や生き物に当ててはいけないと言われるのです。
大きい凸レンズ( 大きい虫メガネなど )の方が、より多くの光を集めることが出来るので、より強く明るく熱くなります。
あとがき
「 光、水、空気 」は地球上の生命を育む 3 要素と言われています。
いずれも「 植物の光合成 」に必要であり、どれが欠けても植物や動物は生きていけません。
その中でも「 光 」というのは、個人的に一番何だかよく分からないものという印象が強かったです。
なので、そもそも「 光とは何なのだろう? 」という所から始めて、そこから自分の疑問点や気になる所を調べていきました。
「 光とは粒( 粒子 )でもあり、波( 波動 )でもある 」という「 光の二重性 」というのは、大変面白い性質だなと感じました。
この結論( 光の二重性 )に至るまでには、長い間( 約200年ほど )の科学者たちの論争( 光の粒子説と光の波動説 )があった様です。
最終的に 19 世紀( 1800年代 )の終わり頃に、アインシュタインなど多くの科学者たちの研究によって「 光は粒子のような性質と波動のような性質を併せ持つ 」と結論付けられました。
また「 人間の目で見えるかどうか 」や「 色の違い 」というのは「 光( 電磁波 )の波長の違いで決まる 」というのも、興味深かったです。( 可視光線と虹の 7 色 )
人間の目は「 光 or 光の変化 」を見ているというのも、当たり前の事かもしれないですが、自分にとってはとても勉強になりました。( サラダ油の中でガラスコップは見えない )
光は粒でもあり波でもある「 不思議な物質 」であり、その「 波長の違い 」によって「 エネルギーの強さ 」や「 特徴 」が変わります。
その変化を利用して、私たちの生活を支えている様々な道具が生まれていきました。
光の世界というのは、とても複雑な世界でした。でも複雑だからこそ、これだけたくさんの技術や道具が生まれていったのだとも思います。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとうございました。